営業マンは手持ちの時間が限られていますから、業績を上げるためには投入した時間に対する販売実績を管理する必要があります。
理想をいえば、「投入した時間が多ければ多いほど、販売実績も大きい」という正の相関関係でなければいけません。
成長率が大で、販売余力も大の企業は「有望市場」ですから、あなたがもっとも時間と力を注ぐべき会社です。
成長率が大で、販売余力が小の企業は「大黒柱」という位置づけで、あなたの販売実績を支えています。もっとも大事にしなければいけない顧客で、ていねいな対応が求められます。
成長率が小で、販売余力が大の企業は「おつきあい先」で、顧客企業に占める、あなたの会社のシェアは、たいして大きくありません。競合会社が強いので、売り上げ増を図るためには競合に勝てる切り口(強み)を磨く必要があります。
成長率が小で、販売余力も小の企業は「ごひいき先」で、あなたの売り上げトップ10が「ごひいき先」ばかりなら、今後の売り上げアップは難しいと言わざるをえません。しかも、「ごひいき先」は訪問しやすく、居心地がいいので、あなたは不必要にアポをとり、訪問すると世間話で時間をつぶして、つい長居をしてしまいがちです。
貴重な時間を、「ごひいき先」で消耗している結果、成長率が高く、販売余力も大きい「有望市場」に時間をかけられず、大事にしたい「大黒柱」にも訪問できないので、売り上げが伸びないのです。
時間と労力は、とてつもなく大事な資源です。だらだらと仕事をしていては時間と労力を、すり減らすことになります。「ごひいき先」で時間を節約し、その時間を「有望市場」「大黒柱」へ振り向けないと、営業成績の向上にはつながりません。
加えて、あなたにとっての「有望市場」は、競合会社にとっても有望先であることを肝に銘じておきましょう。今後ますます競争が激しくなることを想定して、競合と差別化し、勝負できる領域を見つけておく必要があります。
このように、2軸マトリクスに、顧客をポジョニングしていくと、優先すべき顧客と、そうでない顧客が見えてくるのです。