「今が営業のチャンス」
業務時間はむしろ延びた
実はAさんのほかにも、全国のオペレーターが次々とツイッターで怒りの声を上げている。
「ノルマがあるので、熱37度ありますが、休めない」
「せめて座席の間隔を1メートル以上空けてくれ」
「クラスターが発生しないと、休業要請を出してくれないの?」
「オペレーターの命よりクライアントのほうが大事ですか」
「毎日出勤するのが怖いです」
「電話かける側が自粛してくれないと意味ない」
「クビになってもいい。もう私は休みます」
通販や中古車販売といった営業の電話をかけるオペレーターからは「会社から『在宅の人が多い今はチャンスなので、どんどん電話して』と言われ、業務時間を増やされた」といった投稿もあった。
九州在住のオペレーター、Bさん(20代、女性)も、職場の同僚らとともにツイッターを始めた。以前から、風邪やインフルエンザが蔓延(まんえん)しやすい職場と感じていた。コロナでは自身の感染はもちろんだが、同居している高齢の両親にうつしてしまわないかが、何より不安だと話す。
契約社員で、時給980円。在宅勤務や自宅で過ごす人が増えたせいか、受信件数は通常の2~3倍に増え、毎日2~3時間の残業を余儀なくされている。休みも取りづらい雰囲気で、「熱がある」と言って休んだオペレーターに対し、正社員の管理者が「3、4日休んだら出てきてね」と声をかけているのを聞いたという。
「私たちにしてみたら、『頼むから、ちゃんと休ませてあげて!』という感じです。でも、会社は今が一番の稼ぎ時だと思っているみたいで……」。
座席の間隔を空けてはどうかと、管理者に提案したこともあるが、「そんな余分な空間はない」と一蹴された。普段なら顧客から感謝された時は達成感も覚えるし、会社もいわゆるブラック企業というわけではないという。ただ、コロナ騒動からこちら、会社への不信感が募る一方だ。