1つ目のポイントは「本部、店舗としての運営方針を示すこと」です。

 運営方針を打ち出すことで、

・現場でクレームの判断に迷わなくなる
・作業の優先順位が明白になり、時間のロスがなくなる

 といった利点があり、これで従業員は現場作業を第一に優先できます。告知文は従業員を守る“盾”になるのです。

 根拠も武器もない中、丸腰でのクレーム対応は困難です。爆発する消費者、患者・市民の無理やり(槍)・ゴリ押しに対応するためにも“盾”を用意しなければなりません。

 2つ目のポイントは、「要望の窓口を一本化すること」です。これによって、現場によって判断が異なるといった二次クレームを防ぐこともできます。

 さらに「なお、今後は、店舗(窓口)や従業員に対して、直接的なご意見・ご指導は『感染拡大の観点』から、固くお断りいたします」の一文により、ルールやマナーに言及した“正義のクレーム”から現場を守ることにもつながります。

 判断が難しいクレームには、企業や組織が指針を出して、窓口を決め、現場任せにしないことが大切です。

告知文+3だん話法で「現場の緊急事態宣言」

 現場の方は、前回紹介した「緊急時の3だん話法」を駆使して、段階的に断ることを意識してください(参照:緊急事態宣言下のスーパー店員に伝えたい「非常時クレーマー」対処法) 。ここで告知文を読んでもらうように促し、企業・店舗が行った決定に従う意思を見せてください。

【ステップ1】
・「申し訳ありませんが、緊急事態の中でこれ以上時間をかけて対応できません。本部より告知文が出ております。現場での対応はできかねます」

【ステップ2】
・「お気持ちはわかりますが、社会的責任を果たすためにも業務を優先するよう指示されています。告知文をお読みになって、アンケート用紙のご利用をお願いいたします」

【ステップ3】
・「これ以上は対応できません。業務の支障になりますので、警察に通報することになります」

 このように段階を踏んで断ることで、クレーム対応の悪さで社会からバッシングを受けることがないように予防線を張ることができます。こちらが迷惑していること、帰ってほしいことを明確に順序だてて伝えていれば、「きちんと注意していなかったため、迷惑であることが伝わっていなかった」「放置することで悪意性を引き立たせ、犯罪者に仕立てている」などとクレーマーから問い詰められたり、弁護士が来て裁判沙汰になったりしても困らないのです。

 告知文を読む気がないクレーマーにも、3ステップで毅然と断りましょう。告知内容をチラシ(パンフレット)などにして「これをお読みください」と手渡し、業務を優先させれば、難しいクレーマーの対応も、ある程度単純な作業にすることができます。