コロナ禍を生き延びるための「生活保護」の利用法と落とし穴コロナ禍で生活保護を受けようする人が知っておきたい、制度の利用法と落とし穴とは(写真はイメージです) Photo:PIXTA

もしもコロナ禍で収入を失い
生活保護を検討するなら

 5月4日、新型コロナ禍による緊急事態宣言は、5月末日まで延長されることとなった。度重なる自粛要請や休業要請は、数多くの人々に減収や失職をもたらしている。生活保護をはじめとする社会保障制度へのニーズは、2008年のリーマンショックと「年越し派遣村」の時期以上に高まっている。仕事がなくなり、これから生活保護を受けようと、実際に検討している人もいるかもしれない。

 そこで今回は、2020年5月現在、生活保護を誰がどのように利用できるかを解説したい。というのは、「健康で文化的な最低限度の生活」を保障して「自立を助長」する生活保護制度は、今年3月以来、低所得層の「健康で文化的」な生活に重点を置いており、「あくまでも最低限度」「仕事を選ばずにとにかく働いて生活保護から脱却してもらわなきゃ」という色彩を急激に弱めているのだ。

 1~2年前のノウハウ本の記述は、現在の生活保護には当てはまらなくなっているかもしれない。

生活保護か、住み慣れた持ち家か
「究極の選択」は不要

 まずは住宅だ。生活保護を受ける場合、コツコツとローンを支払って購入したマンションは、手放さなくてはならないのだろうか?

 もしも、時価3000万円の新築マンションを購入してから3年目、月々の返済が約13万円、まだ残債が2600万円だったとしたら、「生活保護か、マンションか」ということになるだろう。いずれにしても、生活保護のもとで返済を続けるのは無理だ。