日本は少しずつ、確実に貧しくなっています。それでも平成の時代は昭和の遺産を食いつぶすように生きながらえることが出来ました。しかし、令和の時代はますます厳しさが増していくことは間違いありません。今はコロナのことで皆さん頭がいっぱいになっていますが、この危機が去った時にどんな経済状況が待っているのか。それを考えるとゾッとします。
 日本人の貧困化を食い止めるにはどんな方法があるのか?
 その一つは、一人ひとりが「投資家の思想」を持つことだと思います。これまで多くの日本人は「労働者の思想」しか持っていませんでした。しかしその思想では、もう未来がないのです。
「投資家の思想」こそが日本の未来を切り開くと私は信じています。少なくとも、その思想を持てた人は、生き残ることが出来ます。
 投資をすることがビジネスパーソンとしていかに大事であるかということを知っていただきたいと思い、私は『ビジネスエリートになるための 教養としての投資』(ダイヤモンド社)という本を書きました。ここで言う投資とは、チャートとにらめっこして売り買いを繰り返すことではありません。それは「投資」ではなく「投機」です。ギャンブルとなんら変わりありません。私が言う「投資」とは、もっと大局的でビジネスの本質に関わるものです。

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生き残った優良企業は
さらに強くなっている

 買った株式を保有している間、当然ですが株価は常に上下しています。多くの個人投資家は、この株価の値動きに一喜一憂するわけですね。

 正直なところを言えば、私だってリーマンショックや新型コロナショック級の暴落が来れば驚きますよ。でも、株価は尻尾に過ぎません。胴体部分がしっかりしていれば、つまり利益がしっかり付いているのであれば、株価が大きく下がったとしても、何も怖くありません。

 もちろんコロナショックやリーマンショック、東日本大震災のような、経済全体に大きなマイナスの影響を及ぼす出来事が突発的に起こった時は、一時的に投資先企業が生み出す利益が途絶えるケースもあります。

 でも、こうした要因で利益が出なくなったとしても、そのことと参入障壁が蝕まれているのとは、また別の話になります。というのも、経済全体に大きなマイナスの影響を及ぼす出来事が突発的に起こった時は、特定の会社だけでなく、大半の会社の利益が一時的に失われているはずだからです。

 当然、このような経済環境下では、投資先企業の営業利益は相応に落ち込むと思いますが、他の競合企業も同じように営業利益が落ちているはずで、それらの背景が説明できるものであれば、全く問題ありません。相対的に競争優位性をもっていて、それが損なわれないのであれば、経済環境が悪くなって先に沈むのは競合企業だからです。そして経済環境が正常化した時には、競合企業は退場しているので生き残った投資先企業はさらに強くなっているはずです。