市場からマスクが消えて、小売店が一斉に発注します。それが卸経由でメーカーに注文として伝わるのですが、需要に応えるためにはメーカーは中国の協力工場に増産依頼をしなければなりません。するとその増産分が日本に届くまで、1ヵ月半のタイムラグが起きます。その間、毎週のように小売店の発注が増え続け、中国の工場は大増産状態になります。

 今回のマスク不足のケースはちょっとややこしくて、そこで中国政府がマスクの輸出を規制したり、その目を盗んで中東経由で日本にマスクが横流しされたりして、流通が複雑になっている。そうした経緯を経て街中に出現するのが「ナゾノマスク」現象です。

マスクバブルの崩壊は
単に供給量が増えたから?

 ただ、いずれにしてもタイムラグによって、3月に不足したマスクは5月になると日本に出荷され、マスクの洪水現象に変わります。実際、私の自宅の近所のスーパーでは、GW中に実に久しぶりに50枚入りの日本語パッケージのマスクが棚に並びました。これは「ナゾノマスク」にとっては脅威です。

 それまでは、高値で横流しされたものをお店が仕入れても高値で売れたのですが、このまま在庫を持ってしまうと危険な空気になってきました。そのことから今、新大久保の小売店がマスク価格を値下げして、売り切ってしまおうとしているわけです。

 さて、冒頭の話に戻ってここではっきりさせておきたいことは、マスクバブルの崩壊の因果関係はマスクの供給量がものすごく増えたので、マスク価格が暴落し始めたということです。

「でも、国内の新規感染者数も急激に減っているよね。これはマスクが売れなくなったからじゃないの?」と真顔で聞いてくる人がいました。はっきり言いますが、仮に因果関係があるとしても逆です。マスクが売れなくなったから感染者が減るのではなく、感染者が減るからマスクが売れなくなるのが正しい論理でしょう。

 いやいや、言いすぎました。本稿の最後で、様々な事象を相関関係で見れば「マスクバブルが崩壊するとコロナ収束も近い」といえるという話をするので、自分にブーメランが戻ってこない程度に、プチ謝罪しておきます。