現状もさりながら、今後の食品価格を左右しそうなのは、コロナの影響で世界的な食品不足が起きるのではないかという懸念だ。農林水産省のサイトによれば、穀物類の輸出規制を実施している国は16カ国(5月11日現在)あるが、「日本の主要輸入先国ではないことから、日本の食料輸入に影響が生じているとの情報は入っていません」という。また、「もの自体はあるので、物流が滞らない限り、国際価格の急騰はないのではないか」との見方だ。
約8割を輸入に頼っている飼料用穀物については、アメリカからの輸出手続きがコロナ感染の影響を受けて滞ることのないよう、輸入商社が事前措置をとっているとのこと(4月30日現在)。収穫や輸出入に関わる人員への感染拡大が、今後のネックとなりそうだ。
日本では入国制限のため、農家の働き手となっていた外国人技能実習生が来日できず、従来通りの収穫が難しくなる可能性がある。小売り側の事情や供給の先行きを見ると、食品価格がそうそう下がるとは考えにくい。
マスクバブルはいったん崩壊も
「第二波」がやってくる?
市場原理といえば、あれほど高騰していたマスク価格は一気に下落傾向に転じている。マスク1枚あたりの通販在庫価格の最安値をチェックしている「マスク通販最安値.com」によれば、5月7日時点の1枚33円から5月10日には25円へと大幅下落、さらに5月12日にかけて21円となり、2日間で10%以上下落したという。
市中でも50枚入りの箱入りマスクが一時期の5000円台から2000円台まで大きく下がっており、雑貨店でも7枚入りが398円で売られているのを見かけた。マスクバブルは崩壊に向かっている。
しかし、第二波の懸念はある。夏に向けて、今度は接触冷感タイプのマスクの需要が伸びるだろう。Yahoo!ショッピングでは、5月7日~13日における冷感グッズの取扱高は、対前年比4.7倍で、こうしたカテゴリの中でも夏用マスクが売れているそうだ。