トリップアドバイザーが日本を含む6カ国を対象に、「外出規制で今すぐには行けなくても、私にとって旅行は重要なものだ」と考える人の割合を調査したところ、日本、オーストラリア、シンガポール、イギリスでは63~64%、アメリカではなんと71%に及んでいる。

 新型コロナは怖い。が、人はウイルスに感染しないことを目的に生きているわけではない。「人生を謳歌する」ということなしに、生きていけない生き物なのだ。

 それをうかがわせるのは、5月31日、スペインの観光地、ラス・パルマスのビーチで撮影されたというロイターの写真だ。完全に芋洗い状態で、老若男女がマスクなしに海水浴を楽しんでおり、体を密着させているカップルもいる。ちなみに、スペイン保健省によれば、この写真が撮影された31日の新規感染者は96人。死者数は2万7127人となっている。

ウイルスが心配だけど海外旅行も
したいというニーズに合致する強み

 こういう世界の動向を踏まえれば、日本の観光業は前途洋々だ。先ほどのトリップアドバイザーの調査で、「旅行先を決める上で今後重要になることは?」という質問に対して、ほぼすべての国で、新型コロナの感染者数が減少していることや、公衆衛生、マスク着用などの規制が行われていることを挙げた人の割合が多くなっている。

 日本は感染爆発もしていないし、死者も欧米に比べるとケタ違いに少ない。マスクはもはやマナーとして定着しているし、道路、公共施設、飲食店の清潔さは世界トップレベルだ。要するに、「ウイルスが心配だけど海外旅行もしたい」というニーズに、ピタッとハマる国なのだ。

 事実、日本インバウンド・メディア・コンソーシアムが、中国のインターネットユーザーを対象に、「新型コロナウイルス肺炎の終息後に行きたい国」を尋ねたところ、「日本」と答えた人の割合が44%と、2位の「タイ」(12%)を大きく引き離してトップになっている。

 このような「追い風」に加えて、筆者が「日本の観光業の未来は明るい」と考える理由は、実はもう1つある。それは、コロナ禍によって、日本の観光の弱みが改善される可能性が高いことだ。