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「安いからソニーにしよう」ではなく
「この値段でも買いたい」を目指す
――ソニー・コンピュータエンタテインメント取締役
兼ソニーマーケティング社長 河野弘氏インタビュー

石島照代 [ジャーナリスト]
【第33回】 2012年8月29日
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河野 また、本日横浜にて、「初音ミク -Project DIVA- f」発売記念前夜祭として実施する「夏の終わりの39(ミク)祭り」では、「夏祭りエリア」、「ウォーターステージエリア」の2つの会場で様々な催しや展示がされます。「ウォーターステージエリア」では、夜の海上に、水と光と音が織りなすスペシャルウォーターステージをご用意しましたので、ファンの方には喜んでいただけたらうれしいですね。

石島 最近はコンビニエンスストアなどさまざまなところで初音ミクを見ますが、根強い人気は健在なようですね。

河野 初音ミクのいいところは、やっぱり「ユーザー参加型コンテンツ」というところですよね。ユーザーコミュニティを作る力がある、そこにとても魅力を感じます。あと、クリプトンさんの、「日本発のコンテンツのパワー、クリエイティビィティを世界にアピールする」という姿勢や、初音ミクを大事にしたいと思っている気持ちもいいですね。

 大事にしたいっていうのは、彼女が正しく生かされるということでもあり、単なる金儲けのために彼女が使われないように、クリプトンさんが守っているように感じるからです。クリプトンさんは版元でもあるけど、同時に「初音ミクはみんなのもの」という気持ちも強いのじゃないかと思いますね。

 我々ももちろん、ビジネス活動ではあるけれども、クリプトンさんのコンテンツに対してのリスペクトする姿勢は共有したい。そういう気持ちが今回の「夏の終わりの39祭り」の開催につながったと思っています。

石島 金儲けだけを考えていたらビジネスは成り立たない?

河野 「儲けられるときに儲けちゃえ」という考えもありますけど、ビジネスは継続することが一番重要だと思っています。たとえば、プラットフォームを維持することも、そう。また、プラットフォームフリーでどこでも遊べるようになることも、マルチプラットフォームっていう考え方も、コンテンツ供給側から見れば「継続」することでしょ。とにかく続けられるビジネスじゃなきゃダメですから、「儲けられるときに儲けちゃえ」という考えは採らないし採れない。

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石島照代
[ジャーナリスト]

1972年生まれ。早稲田大学教育学部教育心理学専修を経て、東京大学大学院教育学研究科修士課程在籍中。1999年からゲーム業界ウォッチャーとしての活動を始める。著書に『ゲーム業界の歩き方』(ダイヤモンド社刊)。「コンテンツの配信元もユーザーも、社会的にサステナブルである方法」を検討するために、ゲーム業界サイドだけでなく、ユーザー育成に関わる、教育と社会的養護(児童福祉)の視点からの取材も行う。Photo by 岡村夏林

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ゲームソフトをゲーム専用機だけで遊ぶ時代は終わった。ゲーム機を飛び出し、“コンテンツ”のひとつとしてゲームソフトがあらゆる端末で活躍する時代の、デジタルエンターテインメントコンテンツビジネスの行方を追う。

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