第2次補正予算の申し入れ書を受け取る安倍晋三首相自民党の岸田文雄政調会長(左)から2020年度第2次補正予算の申し入れ書を受け取る安倍晋三首相(5月21日撮影) Photo:JIJI

コロナ禍に伴う経済損失対応のため、第2次補正予算が編成され、政府案が5月27日に閣議決定された。本稿では、政府・自民党によるこの提言における問題点などを解説したい。(室伏政策研究室代表、政策コンサルタント 室伏謙一)

危機感も少しは出てきたのか
第2次補正予算は早々に編成

 事業規模118兆円に対し、国の直接的な財政支出、いわゆる「真水」は26兆円弱と、「『ころも』ばかり大きい天ぷら」などと揶揄(やゆ)された、新型コロナショック対応のための令和2年度第1次補正予算(緊急経済対策)、拙稿『108兆円規模のコロナ緊急経済対策が「看板に偽りあり」といえる理由』『「コロナ緊急経済対策」は各省庁の予算案を見るとやはりガッカリな理由』でも指摘したとおり、新型コロナショックで窮地にある事業者を救済する緊急対策には程遠いものであった。

 さらに、「Go toキャンペーン」に代表される、緊急性の乏しいというより全く関係のない予算まで計上されるなど、希望的観測と楽観主義に満ちあふれたものでもあった。

 もちろん、一律10万円の特別定額給付金や、持続化給付金、地方創生臨時交付金を創設するなど、国民や事業者の窮状を多少は和らげることにつながる措置も含まれていたわけであるが、やはり不十分。