「もっと強い意識を持っていこう」と言ったのに、いつまで経っても変わってくれない。「チームのことを考えて行動すれば評価は上がる」と伝えたのに、自分の仕事しかしない。部下にアドバイスをしたのに、「思ったのと違う伝わり方になってしまった」「何度言っても変わらない」「伝えたかったことと違う動きをされて困った」といった経験はありませんか。「伝えたつもりが伝わっていなかった」というコミュニケーションの問題は日々起きています。

部下にどのような言葉を使って伝えれば、部下はわかってくれるのか、適切な行動をとってくれるのか――きちんと納得感のある言葉を伝えるリーダーもいれば、曖昧な言葉で伝えるリーダーもいて、「言葉」の重要性が高まっていると感じた方も多いでしょう。心を動かす「言葉がけ」のできるリーダーに部下はついてくるのです。

自分の意識を変えるのでさえ難しいのですから、部下の意識を変えさせるのはもっと難しいもの。そこで、新刊どう伝えればわかってもらえるのか? 部下に届く 言葉がけの正解から、シーン別にNG行動・発言とOK行動・発言を対比させながらどのような言動で接したらいいかを紹介していきます。

【最強フレームワークよりリーダのひと言】「締め切りギリギリ部下」は、2つの軸で変わる!Photo: Adobe Stock

×「重要度」を優先する
「成果」を優先する

リーダーの悩み:仕事の優先順位がどうもおかしい。締め切りに追われるスタイルを変えられないだろうか?

 1人当たりの業務量が増えているなかで、働き方改革の影響もあり、短い時間で成果を求められるようになりました。仕事量が増えているのに、仕事に費やせる時間が少なくなったわけですから、当然、時間を有効に使う必要があります。

 もちろん一つ一つの仕事の効率性を高めていくことも必要ですが、それでもすべての仕事を就業時間内でさばくのは難しいでしょう。

 大切なのは「仕事の優先順位づけ」です。

 仕事はつい、締め切りが迫っているものから先に処理しがちです。しかし、そのような仕事の進め方をしていると、いつまで経っても目先の仕事に振り回されます。期限は定まっていないものの、成果に結びつく仕事(来年度の大口顧客へのコンペのプレゼンの準備やホームページの改訂など)や、まとまった時間を必要とする仕事に取り組むことができません。

 これはすべて、仕事における優先順位のつけ方がわからないことに起因しています。