コロナ,資金繰り
中堅企業はちょっとした資金繰りのミスで会社を潰しかねません Photo:PIXTA

企業の新型コロナウイルス対策で重要なのは、「社員の命」を守ること、そして「資金繰り」だ。今後も厳しい経営状況が続くと考えられる中で、どのように資金繰りを行い、会社を守ればいいのか。企業のリスクマネジメントに詳しいプリンシプル・コンサルティング・グループの秋山進代表がコロナ禍での正しい資金繰りの考え方を4つの手順で解説する。

 今回は、主に中堅企業の経営者、財務、経営企画担当者向けに、危機対応の話をしたいと思う。危機からの再建はかなりノウハウが蓄積されており、書籍も多く出ている。それらに書かれているやるべき内容は、大企業向けと中堅企業向けで大きく異なるわけではない。

 しかしながら、中堅企業の場合は、ちょっとしたミスが市場からの即退場(倒産、廃業)につながり、また経営者は自らの財産の状況にも大きな影響を及ぼす(ことが多い)。一つひとつの意思決定と実行が会社の存続に与える重大性は大きく、緊急性も高い。そして、すぐに実質的な成果を出さなくてはならない。引きこもって小田原評定などしている時間はないのだ。

不確実な時代のクライシスマネジメント
できることを明確にし、精いっぱいやる

 一般的にリスクマネジメントの世界では、企業が直面する可能性がある危機的な状況を「リスク」「不確実性」に分ける。さらには、それを「クライシス」「非クライシス」に分ける。

 リスク対応は、繰り返し起こることに対して統計的に分析し、期待値を出して対応することを指す。一方の不確実性は予測不能な事態への対応で、確率にもとづいた意思決定ができない。できることは過去の類似のケースから類推して将来のシナリオを書くくらいである。新型コロナウイルスはまだその姿を誰も正確にはつかんでおらず、その被害もどこで終了するかわからない。すなわち不確実性の世界にある。

 また、クライシスはリスクが顕在化して、実際に追い詰められた状況のことをいう。今回のコロナ禍は、すでに顕在化しており、企業は追い込まれた状況になっている。したがって、ここで扱うのは不確実性のある世界におけるクライシスマネジメントの話である。これはリスクマネジメントの中でも一番難しいものである。

 不確実性の世界におけるクライシスマネジメントにおいて大事なことは、どうなるかわからない外部状況の変化におろおろするのではなく、自分でコントロールできることを明確にし、できることを精いっぱいやることである。