【手順1】シナリオ作成
手元に必要なお金を明確にする

 そのときに、まず気にすべきは、お金(キャッシュイズキング)である。最低どれだけ手元に現金を持っておけばよいのか。そのためのシナリオ作成が重要となる。

 シナリオとしてはまず、(1)最悪、(2)悪い、(3)まあまあの3通りを作ろう。詳細なものである必要はまったくない。売り上げが7割減、5割減、2割減、くらいの3通りで考え、その状態が3年くらい続く、2年くらいで回復する、1年くらいで急速に回復する、といったケースを想定する。そして3~5通りくらいのシナリオをざっくりと作る。そうすると会社の現金や株主資本がどのような状況になるか、改めておおよそ見える。見たくないものを見るのは嫌だが、これをやらないと、このあとどのくらいお金を調達しておけばよいかがわからない。

【手順2】給付金や借入金の確保
受けられる支援は全部受ける

 シナリオ作成でお金がどのくらい足りないかはわかった。しかし売り上げはなくとも支払わなければいけない毎月の支払いがある。お金が足りなければ(足りていても)、国、自治体の支援を受けられるものは全部受ける。

 借入金の確保(今回は実質無利子で借りることができる。できるだけ借りておこう)、不稼働資産(オフィス)の家賃の減額要請、余裕のあるスペースの返却、金融資産の売却、場合によっては引っ越しも検討する。引っ越し費用その他は給付金や借り入れを充当しよう。

 たまにお金が調達できたところで、ホッとして気が緩む会社がある。これは絶対にNGだ。原価の削減、経費の削減は当たり前。すぐにやるべし、である。そして、シナリオ作成の結果、事業が立ち行かないことがわかれば、廃業もあり得る。