まずダメージの大きさだが、中国は新型コロナウイルス禍の「震源地」ではあるものの、感染が比較的早期に収束し、感染者数や死亡者数も表に示すようにさほど多くない。一方、米国は全く状況が逆で、感染者数、死亡者数とも極めて多くなっている。

 また、今後予想される第2波、第3波でも、管理が厳格な中国に比べれば、米国や日本のリスクが高いのもほぼ自明であろう。

 感染者数や死亡者数で見れば、新型コロナウイルスによるダメージは中国に比べ、アメリカの方が数段大きいと考えられる。実際、例えば、米国ブルッキングス研究所が出したコロナ被害による2020年のGDP損失額を人口対比で見ると、米国>日本>中国となる。

 奇妙なことは、株式市場の動きとして、中国の上海総合指数や香港ハンセン指数と、米国のナスダック総合指数やニューヨーク証券取引所総合指数を比較して考えてみると、ダメージの小ささを反映してか、下落率は中国の方が少ないが、回復は米国の方が大きい。

株式市場と実体経済が乖離する
2つの理由

 このような結果になっている理由は2つあるのではないかと筆者は考えている。

 1つ目の仮説は、財政出動や金融政策で空前のカネ余りになり、そのお金が株式市場に流れ込んでいる。つまり、実体経済と株式市場は全く乖離している、ということだ。

 ここで、日本についても考えてみたい。表にあるように回復は早く、中でも新興市場であるマザーズの回復が早い。

 日本では財政出動や金融政策も、米国に比べてあまり大きく行えていないと考えられるが、日本では感染者数や死亡者数は少なく、ダメージも少ないからだろう。

 ここで、得られるもう1つの仮説は、新型コロナによるダメージが単なるダメージではなく、未来への変化のアクセラレーター(加速させる要因)として作用しているという考え方である。

 米国でも特に表にあるように、ハイテクの会社が多いナスダックのみが最高値を更新している。