新型コロナウイルスによる外出自粛に伴って、インターネット通販に“特需”が起きた。『ポストコロナ「勝ち組」の条件』(全18回)の#11では、新規入会、注文共に殺到し、一部商品の欠品も生じるほどの人気となった、生鮮食料品宅配の“老舗”である生協の奮闘を追った。
買い物中の「3密」を回避できるとあって、インターネット通販に“特需”が起きている。ただ大手の米アマゾン・ドット・コムや楽天であっても、苦手とするのが生鮮食料品の宅配だ。ここで圧倒的な王者として君臨するのは“老舗”の生協。コロナ禍でも売上高を大きく伸ばし、貫禄を見せつけている。
関東を中心に展開しているパルシステム生活協同組合連合会によると、同会の売上高は2月下旬以降増え始め、4月からは前年同期比30%増で高止まりしている。
2月の1週間当たりの利用人数は74万人だったが、5月には81万人に増えた。買い手である組合員数の増加の割合は前年同期比で2倍のペースだ。
新規組合員の増加に加え、既存組合員も注文の頻度を増やし、購入単価もアップしているという。
生鮮食料品宅配では、アマゾンの「アマゾンフレッシュ」や、セブン&アイ・ホールディングスの「IYフレッシュ」など、ここ数年で新規参入が続いた。ただ、広く浸透したとは言い難く、生協の牙城を脅かすには至っていない。