今の中国は「信用・誠実」を重視しており、それに反する行為をする者はブラックリスト入りするため、そうした人間は少なくなってきたが、いなくなったとは言い切れない。ただ今後、人々のモラル意識の向上と競争の高度化によって、こういう傾向は少なくなっていくだろう。

 こうした問題を克服するには、管理が重要となってくる。中国の政策は詳細を詰め、「問題なし」と判断されてから実施するのではなく、「まずやってみて、問題が出てきたら軌道修正を考える」というものだ。「露店経済」についても、そのようなことが言える。

 今後は管理を強化する方向に動くだろう。市場経済の発展を支持する北京大学の暦以寧教授は、「屋台も雇用にとって必要だ。もし彼らへの管理が厳しすぎると、矛盾がより先鋭化し、安定にプラスとならない」と述べ、「露店経済」の優位性が損なわれないよう、実情に基づいた合理的な管理を行うことを主張している。問題点を見つけ、どのように軌道修正しいていくかは、関係部門が実態を調査した上で現地の実情に応じた管理をすることが重要だ。

一時的なブームで終わるか
起業の一形態になるのか

「露店経済」は一時的なブームで終わるか、それが進化して「大衆による起業・革新」の一形態になるのだろうか。現在はインターネットを駆使した「実況経済」も発展しており、若い世代の店主はそれを活用して客を呼び込んでいる。

 ある「90後」の若い店主は中国式の揚げドーナツ「油条」を売っていたが、はじめは売り上げが伸びなかった。その後、「油条」を冷めてもサクサク感のあるものに改良し、それをネット上で広めたところ、売り上げが伸びたという。

 商品をつくるところをネット上で実況して客を呼び込むやり方が今後主流になれば、「露店経済」は「大衆による起業・革新」の一形態となり、雇用拡大に寄与する一要因になるのではないかと思う。

(フリーライター 吉田陽介)