2つ目が、「アウトプットの品質が高かった」点だ。まず、インターンシップの日程がこれまでの2日から3日になったことはもちろん前提にあるが、大きかったのが「オンラインコミュニケーションによってもたらされた副産物」だと金氏は振り返る。オンラインコミュニケーションではテキストや音声での対話がメインになり、対面でありがちな曖昧なコミュニケーションではとても用をなさない。そのため、きちんと内容を明確に伝えざるを得ず、それがお互いの理解を促すことになり、アウトプットの品質向上に寄与したようだ。
3つ目が、インターンシップ生の受け入れにかかる「コストが大きく削減された点」だ。同社のインターンシップではこれまで、東京にある同社オフィスまでの交通費、インターンシップ日の前日と後日を合わせた宿泊先の用意のみならず、食事も3食すべて用意していた。しかしオンラインインターンシップでは、それらがすべて必要なく、用意したのはインターンシップで使用するコミュニケーションツールなどのみだった。
メリットが多かったオンラインインターンシップの中で、一つ課題として残ったのが、通信環境のトラブルだ。今後もオンラインインターンシップを3日間の日程で予定しているというが、その際はモバイルWi-Fiルーターをインターンシップ生の自宅に送るなどして、安定した通信環境を築くようにするという。
また、インターンシップ生によっては「オフィスを見られない」というデメリットがあるのも確かだ。コロナの感染拡大が落ち着いた際には、5月のオンラインインターンシップに参加した学生らをオフィスに呼んで、見学会やメンターとの交流会を実施したいと考えているという。
超難関インターンシップから
内定に直結するのは3分の1程度
同社のインターンシップは内定直結型だが、実際にそこから内定につながる学生は3分の1程度。「15人中1人のみ、ということもある」(金氏)ほどで、同社のインターンシッププログラムを通過するのはとても厳しい。
「インターンシッププログラムでは、高い論理的思考力があること、継続できる力があるかどうかをとても重視して、選考している。素直でいい人よりも、癖があるような人の方が当社では好まれる傾向がある。オンラインであろうと対面だろうと、見る部分は変わらない」(金氏)
8月にも予定している3日間のオンラインインターンシップの倍率は「5月を上回るものになりそうだ」と金氏は語る。
「インターンがオンラインになったなら、応募してみようかな」と気楽に考えている学生もいるかもしれないが、そんな甘い考えはフリークアウトのオンラインインターンシップには全く通用しないようだ。