ホストクラブ経営者は「耳の中にドリルを突っ込まれて頭蓋骨を削っているような音で目覚め」たり、「シンナーでラリってしまう夢」を見たりした(写真はイメージです) Photo:PIXTA

緊急事態宣言からGWまでの
60職種77名の等身大の記録

 新型コロナウイルス、誰一人として影響がなかった人はいないだろう。しかし、その影響の受け方は、それぞれの人によって違う。いまさらながら、そのことがよくわかった。

『仕事本 わたしたちの緊急事態日記』書影
『仕事本 わたしたちの緊急事態日記』 尾崎世界観、町田 康、花田菜々子、ヤマシタトモコ、川本三郎、立川談四楼 他77人 左右社刊 2000円+税

 緊急事態宣言が出された4月7日あたりから、ゴールデンウィークの頃まで。総勢77名の人たちによる日記である。どのように依頼されたのか、どのように編集されたのかは定かでない。ひとりあたりのページ数は似たり寄ったりだが、形式や文体はまちまちだ。毎日こまめに書いている人もいれば、長いのを数日分の人もいる。中には漫画もある。プロの作家から市井の人までさまざまな書き手だが、みんな上手い。

 いろんな仕事に降りかかった出来事について、新型コロナウイルスの影響が報道された。しかし、どうしたって他人事として描かれざるをえない。それに、多かれ少なかれ、誇張がありそうだ。逆に、うまく伝えきれなくて矮小化されていることもあるはずだ。

 この本『仕事本 わたしたちの緊急事態日記』は違う。当事者による等身大の記録である。日記を書いた人たちの仕事の種類はじつにさまざまで60種類にもおよぶ。それが、12のカテゴリーに分けられている。IからXIIまでが、順に、「売る」、「運ぶ」、「闘う」、「率いる」、「添う」、「描く」、「書く」、「聞く」、「創る」、「守る」、「繋ぐ」、「導く」、となっている。