しかし、横隔膜は年々硬くなり、しなやかさを失っていきます。その原因の1つには加齢があります。筋肉も年齢とともに老化して、硬く縮んできて、動きが悪くなりますが、横隔膜という筋肉もその例外ではないのです。

 しかし一方で、働き盛りの年代や高校生、中学生のあいだでさえ横隔膜の硬い人たちが増えているということは、加齢以外にも大きな原因があると考えられます。それがストレスです。新型コロナウイルスによる影響、ライフスタイルの変化、将来の不安などをはじめ、現代人は、多くのストレスに悩まされています。このストレスこそが、横隔膜を硬くする一大要因なのです。つまり、横隔膜はストレスで筋肉が硬くなることに加え、呼吸が浅くなって動きが悪くなることによって、ほかの筋肉よりストレスの影響を受けやすくなるのです。

 しかし、もし横隔膜が硬く縮んで、動きづらくなっていても、それをしなやかで、やわらかく、よく動く状態に変えることは、何歳からでもできます。筋肉はいくつになっても、自分の働きかけ次第で変えることができるのです。

「横隔膜ほぐし」で体も心も安定する

 横隔膜をやわらかくする方法として「横隔膜ほぐし」があります。「横隔膜ほぐし」をすることで、酸素の供給量を増大させ、全身の血液循環を良くすることができます。さらに、腸のあたりをマッサージすることで、「腸活」にもなり、免疫力も上がるのです。

 では、「横隔膜ほぐし」の基本的なやり方を少しご紹介しましょう。まず、「横隔膜ほぐし」は、ポイントに手を置き、上体を前にしっかり倒しながら呼吸することで、手の圧と腹式呼吸の両面から、横隔膜を刺激することができるエクササイズです。

【1】背にもたれかからないように、椅子に浅めに座ります。みぞおちあたりのポイント(1)に両手の指をおき、3秒間で鼻から息をたっぷり吸いこみ、おなかを膨らませます。