シチュエーション別の切り出し方

・先方から声をかけてもらった場合

 声をかけてもらった理由を聞くのは、後に深掘りする際のよい材料となります。例えば、「○○の問題に一番強いのは貴社だと噂で聞いた」「○○と検索したらヒットした」など、「どう聞き回ったか」「何と検索したか」という行動は、相手の問題・懸念を端的に捉えることができるからです。

 Could we know a little more about the background of your plan.
 →今お考えのプランの背景を少し教えて頂けませんか?( 背景を聞く)  
 Could you tell us why your company started looking for a partner for this project?
 →このプロジェクトのパートナーを探し始めたきっかけを教えて頂けませんか?
 Could you tell us how you found us?
 →どのように私たちを見つけてくださいましたか?

 自分が相手に何かを売る立場の場合、まずは、相手の抱えている問題を聞き出します。ただ、売り手はたいてい交渉上の立場が低いため、「あなたの問題を教えてほしい」とダイレクトに切り込むと、失礼に聞こえたり、へそを曲げられる可能性があります。丁寧な言い回しを使い、同時に、少しこちらの実績や信用につながる話をすることで、相手も話しやすくなります。

・直接的なお願いの表現

 Is your company facing any challenges or issues?
 →貴社には何かチャレンジや問題はありますか?(いきなり問題を尋ねるには唐突感がある場合、不便やトラブルがないかを聞くのがよいでしょう  )
 We would like to know what problems or issues your company has.
 →貴社が直面している問題や不便について教えて頂けますか?
 Are there any specific challenges you would like us to know about?
 →特に私たちが知っておくべきチャレンジはありますか?
 Could we learn more about the challenges or issues your company is facing now?
 →貴社が直面しているチャレンジや問題について詳しく教えて頂けますか?

・ヒアリングの理由を添える
 In order to address your company’s needs, we need to understand the challenges you face.
 →貴社のニーズを把握するため、今直面しているチャレンジについて教えて頂けませんか(ここでヒアリングをさせてもらえれば相手の利益に資すると訴える  )
 The more we know about your issues, the better we can tailor a solution to you.
 →貴社のチャレンジを知れば知るほど、ご提案をカスタマイズできます
 The X01 can solve many ploblems. However, it can also be customized to fit your needs. So would you mind elaborating on your issues a bit more?
 →X01は、たくさんの問題を解決できます。しかし、御社特有のニーズに応えるために、もう少し問題について話して頂けませんか?

 次回は、このセールスの場合の続きとして、「さらに情報を引き出すための言い回し」について見ていきましょう。

優秀なセールスに共通する質問の仕方とは
児玉教仁(こだま・のりひと)
イングリッシュブートキャンプ株式会社代表
ハーバード経営大学院 ジャパン・アドバイザリー・ボードメンバー
DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー アドバイザー
静岡県出身。静岡県立清水東高等学校を卒業後、1年半アルバイトで学費を稼ぎ渡米。ウィリアム・アンド・メアリー大学を経済学・政治学のダブル専攻で卒業後は、シアトルでヘリコプターの免許を取得後帰国。1997年4月三菱商事株式会社入社。鉄鋼輸出部門に配属され様々な海外プロジェクトに携わる。2004年より、ハーバード経営大学院に留学。2006年同校よりMBA(経営学修士)を取得。三菱商事に帰任後は、米国に拠点を持つ子会社を立ち上げ代表取締役として経営。2011年同社を退社後、グローバル・リーダーの育成を担うグローバル・アストロラインズ社を立ち上げる。2012年よりイングリッシュブートキャンプを主宰。イングリッシュブートキャンプ社代表も務めるかたわら、大手総合商社各社をはじめ、全日本空輸、ダイキン等、様々な国際企業でグローバル・リーダー育成の講師としてプログラムの開発・自らも登壇している。