東日本大震災の時を思い起こしてほしい。物流が滞り、スーパーなどで品切れが続く中、コンビニにお客が流入した。

 当時、コンビニは転換期。若者や男性向けのカロリー高めのギラギラ弁当から、女性を意識した低カロリー弁当へ、さらにスイーツの品ぞろえの拡充を図っていた時期であり、従来コンビニにあまり行ってなかった層を顕在化し取り込んだのだ。

 コンビニで日常食品を買うという購買行動の変化が促進され、これをきっかけにセブン-イレブンを始めファミリーマート、ローソンが年間1000店、1500店と新規出店競争を繰り広げ、現在のコンビニ3社の寡占化状態を築いた。

 つまり、有事の今は当時の状況に似ている。いつ行っても混みあっている食品スーパーより、少々価格は高くても3密状態を避けられる。会計がスムーズで、お客が流れるコンビニで買った方が安心、便利と消費者が考えても不思議ではないからだ。

 6月のセブン-イレブンの既存店売上高の急回復は、そんな消費者心理を反映しているともいえる。

 コンビニでは実は、購買行動が変化したお客、これから変化するであろうお客を取り込もうという動きがすでに始まっている。

 コンビニ業界にとってちょっとした衝撃だった、伊藤忠商事によるファミリーマートの完全子会社化。実は不思議なことに子会社化にあたり、全国農業協同組合連合会(全農)や農林中央金庫(農中)から出資を受けている。

ニューノーマルで
状況が大きく変わる可能性

 何で?と思われた向きも少なくないとみられるが、実はこの資本参加がファミリーマートの商品政策を変えていく可能性が指摘されているのだ。

「コンビニで野菜売ってもうまくいかなかったじゃん」とのご指摘もあると思うが、実はコロナによるニューノーマル(新日常)で、その状況が変わる可能性がある。

 コンビニでは、多くのチェーンが野菜販売にトライしてきた。だが、どれもあまり成功事例がないというか、品ぞろえの一環としてお印程度に並べてあるだけで、品ぞろえのボリューム感はないし廃棄ロスはあるし、とあまり商材としてはコンビニ向きではなかった。