株式投資はリターンが高いが、リスクも高い
投資対象資産は先に見たように、主に「株式」「債券」「REIT」の3つがあります。
また、「株式と債券」「株式と債券とREIT」など、異なる種類の資産をいくつか組み合わせて運用するものは「バランス型」に分類されます。このほか、金や原油など、「株式」「債券」「REIT」以外の資産に投資するものもあります。
こうした「地域」と「資産」の組み合わせによって、たとえば「先進国株式ファンド」に分類される投信なら「アメリカをはじめとする先進国の株式を組み入れた投信」だとわかります。
「国内バランス型ファンド」なら、日本の株式や債券、REITなど国内資産を組み合わせた投信です。
長期資産形成のための資産配分は、「国内株式ファンド」「先進国株式ファンド」「新興国株式ファンド」「国内債券ファンド」「先進国債券ファンド」「新興国債券ファンド」の6種類をベースとし、目指す運用利回りに応じてこれらを組み合わせるのがお勧めです。
下図は、国内株式、先進国株式、新興国株式、国内債券、先進国債券、新興国債券について、それぞれのリスクとリターンを示したものです。
この図を見ると、全般に株式はリターンの高さが魅力ですが、その分リスクも高いことがわかります。
一方、国内債券はリターンが低いかわりにリスクも低いことが読みとれます。リスクをある程度抑えながら安定した利回りを得ることを目指すなら、これらをうまく組み合わせたほうがよいわけです(これを「ポートフォリオを組む」といいます)。
モーニングスター株式会社 代表取締役社長
1966年生まれ。1989年慶應義塾大学文学部卒。銀行、証券会社にて資産運用助言業務に従事した後、95年米国イリノイ大学経営学修士号取得(MBA)。同年、ソフトバンク株式会社財務部にて資金調達・資金運用全般、子会社の設立、および上場準備を担当。98年モーニングスター株式会社設立に参画し、2004年より現職。第三者投信評価機関の代表として、常に中立的・客観的な投資情報の提供を行い、個人投資家の的確な資産形成に努める。
主な著書に、『「つみたてNISA」はこの7本を買いなさい』『一生モノのファイナンス入門』(以上、ダイヤモンド社)、『「iDeCo」で自分年金をつくる』(祥伝社新書)、『お金の未来年表』(SB新書)など多数。