まずは女性を見てほしい。24歳以下では東京も全国も大きな差はないが、20代後半になると東京の方が約10ポイント高くなる。晩婚化というのなら、この差はいずれ縮小していくはずだ。

 ところが、40代後半までずっと同じ大きさの差が続いていく。これは明らかに非婚化を示している。男性にも同様の傾向がみられるが、社会移動の影響を想起させる凹凸があるなど、女性ほど明快ではない。

非婚女性を包み込む渋谷

 東京23区の中で25~44歳の女性の未婚率が一番高いのは渋谷区。以下、新宿区、中野区、杉並区、豊島区と続く。いずれも「若者の街」と呼ばれるダイナミズムを持った街だ。これらの各区は、女性だけでなく男性の未婚者も多い。

 だが、女性1位の渋谷区は、男性では4位にランクが下がる(男性の1位は新宿区)。渋谷区の25~44歳女性の未婚率は57%。23区最低の江戸川区(31%)の1.8倍を超える。渋谷は、結婚しない女性の「聖地」といった感がある。

 2010年6月に国立社会保障・人口問題研究所が実施した『第14回出生動向基本調査(結婚と出産に関する全国調査)』を見ると、25~34歳の独身者があげる結婚しない理由の1位は、男女ともに「適当な相手にめぐり会わないから」。一方、女性の2位の「自由や気軽さを失いたくないから」は、男性では4位に止まる。

 渋谷区は、衣料品店、美容院、フィットネスクラブなどのファッション系の店舗が、東京で最も高密度に集積している。渋谷では、結婚生活より以上に魅力のある、自由で、気軽で、充実した暮らしが満たされるのだろうか。それとも、適当な相手にめぐり会えない寂しさを、この街が癒してくれるのだろうか。いずれにせよ、結婚しない女たちを、渋谷の街が包み込んでいる。