もう一つ注目したいのが米国である。米国経済が過剰な内需によって経常収支の赤字を続けてきたことはすでに述べた。そうしたゆがみを是正しようとして、ドルの水準が調整され、輸出拡大の道が模索されている。

 しかし、米国は他の先進国と比べて大きく異なる点がある。それは人口の成長スピードが非常に速いということだ。毎年300万人のペースで人口が増えている。現在3億人の人口は、2050年には4億2000万人を超えると言われる。

 その理由だが、米国には「白いアメリカ」と「白くないアメリカ」が共存していると言えばわかりやすいかもしれない。白人社会は、他の先進国と同じく少子高齢化で人口減少社会である。しかし、米国には人口が今も大きく増加中のヒスパニック人口があり、また世界中から優秀な人材が留学生や移民として入ってくる。これを「白くないアメリカ」と呼ぶことができる。

 こうした人口成長を背景に、米国には不動産への投資需要は潜在的に大きなものがあるし、自動車などの耐久消費税への需要も拡大するだろう。投資需要も期待できる。

 リーマンショックの後遺症で、米国の需要は落ち込んだままである。しかし、こうした状況が永遠に続くわけではない。米国の経済が再び拡大基調に入ったときこそ、世界経済が本格的な回復をする時期であると言ってもよいだろう。


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