βラクトリンを成人に12週間投与し、飲まなかった人たちと認知能力のテスト結果を比較すると正解数に2倍以上もの開きが出た。カマンベールチーズを食べると認知症が抑えられるのかもしれない。

 一方、ビールに含まれる認知力改善成分は苦み成分のイソα酸だ。ホップは苦いためにそのまま食用にはできない。同研究所ではホップを熟成させることで苦みを抑えることに成功、できた熟成ホップのエキスを飲んだ成人は思い出す力が上がり、物忘れが明らかに減ったという。

 単純にビールを飲めばいいという話ではないが、ビールの苦みがアルツハイマー病を治すかもしれないというのは興味深い話である。

 キリンホールディングスと電通は熟成ホップを使った商品開発のため、合弁会社INHOPを作った。近いうちに認知症を抑制する食品が販売されることだろう。

 ビールの効能はほかにもいろいろあり、東日本大震災の時には放射能による被曝(ひばく)を防ぐという話まで出た。

 これは放射線医学研究所と東京理科大の合同研究で、ビールを飲んで放射線を浴びると、染色体異常の発生率が最大34%も抑えられるのだそうだ。マウスに与えたところ、全身照射による骨髄死を抑制できたという(ビール成分に最大34%の放射線防護効果を実証)。

 肥満やアルツハイマーの抑制から、放射線防護まで、ビールにはさまざまな可能性がある。

 飲みすぎには注意しつつ、この夏をビールで乗り切ってはいかがだろうか。