「死ぬのが怖い人」とどう寄り添えばよいのか

もちぎ:今は新型コロナに感染する不安を抱えている人が多いですし、新型コロナ以外にも地震や豪雨による災害、病気などで死を意識している人がたくさんいると思います。「死を恐れる」というのは身近な感覚になってきていて、「そういう人にどう寄り添えばいいのか」と自分も考えることがあるんですけど、Tomy先生はどうされていますか?

精神科医Tomy:間近な死を自覚している人に、どう言葉をかけるかということですね?

もちぎ:はい。自分は今、健康だし、コロナに対してもどちらかというと楽観的です。でも、自分は“老け専”ということもあり、年配の人と話していると、ものすごく不安を感じているようなんです。

精神科医Tomy:これって、自分が死ぬときに「いかにして恐怖感と折り合っていくか」というテーマでもあると思います。ボク自身が死ぬときにどう考えるかというと、ある程度時間の猶予があるときは、会っておきたい人に会ったり、見に行きたい場所に行ったりする計画を立てると思います。

人は「何かこうしたい」と考えて、それに向けて動くときには前向きになれるんです。だから、がんなどで死を覚悟しているうつ病の患者さんに対しても、「何かやっておきたいことはありますか?」「どこか行きたい所はないですか?」と質問することがあります。ある患者さんは、「昔の後輩と飲んでおきたい」と言って飲みに行っていました。ボクは、飲みに行った話をただ聞いているだけ。

もちぎ:そうやって寄り添うんですね。