学生にフィードバックという
「お土産」を持たせる

 もう一点、インターンシップで大切なことがあります。学生に「お土産」を持って帰ってもらうことです。自社のロゴ入りグッズを配れと言っているわけではありません。ここで言うお土産とは、フィードバックのことです。学生に人気のあるインターンシップでどんな点が良かったかを問うと、「フィードバックがあった」という回答が多いのです。

 グループワークにせよ、プレゼンにせよ、やりっ放しではなく、先輩社員や担当者から、自分の提出したもの、発表したものに対して、「こういうところがとても良かった、ここは足りないから伸ばすともっと良くなる」などというコメントをもらえることは、学生にとって大きな価値があることです。普段は接することのない、仕事のプロから返答がもらえるという得難い経験だからです。

 オンラインであっても、いや、オンラインだからこそ、企業は一人一人にしっかりフィードバックをして、学生の満足度を上げる必要があります。

 ここまで、企業側の視点からインターンシップの良しあしを論じてきましたが、学生側の視点からも見てみましょう。

 プロパガンダ型とフレームワーク型、どちらのインターンシップが学生にとって有益でしょうか。答えは明らかです。延々と自社PRを聞かされるくらいなら、何らかの企業を測る物差し=フレームワークを身に付ける方がその後の就活にも役立ちます。インターンシップに応募する際は、プログラムがプロパガンダ型なのかフレームワーク型なのかを吟味してみるといいでしょう。

 学生からの相談で「サマーインターンシップに応募したがなかなか受からない」という声をよく聞きます。これはある意味仕方のないことです。そもそもサマーインターンシップは他の時期のインターンシップと比べて募集人数が少ない上に、今年はコロナ禍の影響で例年のように人を集めて大人数でインターンシップを開催できなくなっているからです。

 ただ、サマーインターンシップに落ちても気にする必要はありません。インターンシップの本番は秋冬。チャンスはこれからです。またサマーインターンシップに応募した履歴は残りますから、早期に関心を持ってくれている学生ということで、企業は好印象を持ってくれるでしょう。

 それなのに多くの学生は「インターンシップに落ちたからどうせ受からない」と勘違いをしています。これは本当に大きな勘違いですので改めてください。

 今回は22年卒向けのインターンシップについてお話ししました。次回は22年卒の就活生が来年の本番に向けて絶対にしておくべき3つのことについてお話ししたいと思います。

(ダイヤモンド・ヒューマンリソース HD首都圏営業局 局次長 福重敦士)