女性が働けば
女性の貧困は消滅するのか

 女性と貧困の関係は、どう理解されているのだろうか。冒頭には、「基本認識」として9項目が挙げられている。

 最初の項目には、「女性は、経済社会における男女が置かれた状況の違い等を背景として、貧困等経済上の困難に陥りやすい」とある。その通りだ。

 2番目の項目には、女性の貧困の特徴として、「ひとり親をはじめ貧困の子育て世帯においては子が成人した後も続く」「不安定な就労を継続せざるを得ない」「全ての年代の女性に生じ得る」とある。再び、その通りだ。

 では、どう対策すべきなのか。3番目の項目には、「セーフティネットの機能」について述べられている。必要なのは「多様な支援」であり、「支援が届きやすくなる」ことである。また、「貧困等を防止する」ことも重要だとされている。三たび、そのとおりだ。

 以下、女性の貧困を解消することや、貧困の影響を断ち切ることの重要性は、具体的な対策とともに繰り返し述べられている。対策として挙げられているのは、「ライフイベント等に対応した多様で柔軟な働き方」を可能にし、「社会全体が多様性を尊重」して「人権を尊重」するようになり、「女性が複合的な困難を抱えるリスク」を減らすための「きめ細かな支援」であり、「女性が安心して暮らせるための環境整備を進める」ことである。どれも、否定のしようのない正論だが、腑に落ちない。

 日本の女性がもっと高い収入を得られるようになれば、日本から女性の貧困はなくなるのかもしれない。もしかすると遠い将来、地球が気候変動によって人の住めない星になる前に、日本の女性が男性と同等に社会や家庭での責任と権限を持ち、同等に収入を得られるようになるのかもしれない。