(3)従業員の安否確認内容の追加
従業員の安否確認では、テレワークが主体となっている、あるいは一部の従業員がテレワークをしている企業では、安否確認自体のメカニズムを変える必要はありませんが、聞き出す情報に追加する項目があります。まず、テレワーク社員にとっては自宅がオフィスですから、地震後もテレワークを継続できるのか、あるいはできなくなるような事態が発生しているのかを確認してください。例えば、安否確認項目として、通常の安否確認の質問に加えて、下記を加えるようにしましょう。
1)自宅のテレワーク環境(電気、PC、インターネット等)は、今後も継続利用可能ですか?
2)上記に問題がある場合に代替手段はありますか?
(例. スマホでビデオ会議には参加できる、PCと同じ作業を行うことはできない、など)
3)テレワークを継続するために、会社にしてほしいことはありますか?
(例. PCが破損したので代替品を送ってほしい、ネット環境が利用できなくなったのでモバイルWi-Fiルーターを送ってほしい、など)
(4)災害発生時のトイレ回りの衛生管理
通常、オフィスビルやマンションのような集合住宅では、震災発生直後から復旧に至る過程で、主にトイレが大きな問題となります。配管が地震の揺れによって損傷を受けることで詰まったり、流せない状態で使用してしまい、二度と使えなくなったりすることがあるからです。
このようなケースでは、季節によってはノロウイルスなどによって急性胃腸炎にかかる被災者が多数出ることが過去の大震災でも報告されています。つまりトイレ回りの衛生状態が悪くなり、さらに地震による災害ストレスで免疫力が落ちてコロナにもかかりやすくなるというダブルパンチに見舞われる可能性があります。
もちろん糞便は、感染経路の一つとしても知られています。必ずトイレ処理剤を使う、使用後は10分程度間隔を置いてから使う、使用後の徹底した手洗い、もし水が出ない場合には、消毒用アルコールで代替するなど、運用ルール自体の変更を社員に周知しておきましょう。