すでに解明されているレシピだけに沿って、再建案を提示しています。ドラマの中では嫌なやつらですが、論理的には間違ってはいない。しかし、帰納法の結論も演繹法の結論も、間違ってはいないのですが、新しい解決策の発見はないのです。

解明されていない事象を予測する
論理手法「仮説推論」とは

 ここで登場するのが、3番目の論理手法である「仮説推論」です。

 仮説推論とは、何か新しい現象が起きているときに「そのような現象が起きているということは、その前に何があったのだろうか?」という点を推論する論理手法です。

 同じく『半沢直樹』を例にとって例を紹介すると、主人公の半沢直樹が展開するのがこの仮説推論です。「おかしい、帝国航空は現場は腐ってはいない。でも経営が悪化している。何か他に原因があるに違いない」という論理展開です。それで推論を検証していくと、実は政治家が腐っていたという驚くべき結論に進みそうですが、ドラマは収録が遅れている様子なので、『半沢直樹』を例にとるのはこれくらいにしておきましょう。

 仮説推論という論理思考法は、未知の不思議な現象の謎を解くのに向いている思考法です。新型コロナでいえば、「9月に入り新型コロナの新規感染者数が目に見えて減ってきた。いったい何が起きたのだろう?」ということを考える方法が、仮説推論です。具体的には、この「何が起きたのだろうか?」について思い付く仮説を挙げていきます。以下のようなリストをつくるのです。

「PCR検査人数が減っているだけで、本当は感染者は減っていないのではないか?」

「感染者が増えてきたので、怖くてみんな家に引きこもり始めたのではないか?」

「ウイルスが全体的に死滅し始めたのではないか?」

「日本全体で集団免役がついてきたのではないか?」

「新しい生活習慣が広まってきて、感染が広がりにくくなってきているのではないか?」

 ここに挙げたような仮説のリストを、次のステップで1つ1つ検証していきます。たとえば、最初の2つは事実を調べるとすぐに否定できます。