また、地方公務員では職場とのミスマッチが起こりやすく、「やりたいことじゃない」と感じて離職する人もいる。

「国家公務員では20弱ある省庁ごとに採用され、その中では仕事のジャンルはある程度まとまっています。しかし、地方自治体では、規模は違えど、国の各省庁の仕事を1つの役所が受け持ちます。配属によって仕事内容が全く異なり、やりたいことではない部署に配属される可能性はそれなりにあるのです。それが原因でやりがいを失ったり、メンタルの調子を崩したりする人は少なくないです」

 また、企業とは違い、必ず窓口の電話番号が公開されていることもあって、何かあればクレームの電話が山のようにかかってくる。その対応も公務員のストレスになっているという。

「ヒマで安定」の時代は今や昔
公務員の仕事は増えるばかり

 若手公務員の転職が進めば、将来の行政機能の低下は避けられないだろう。大原氏も近年の離職者の多さ、希望者の少なさについてこう言及する。

「もともと公務員の自己都合退職者は一定数いましたし、団塊世代の大量定年退職もありました。その一方で、コロナ前までは民間の景気が良い時代が続き、新卒向け公務員試験の志望者は減っていました。ここ5年ほどは特に地方公務員の大卒試験倍率が低水準にとどまっており、不人気な併願自治体では辞退されるケースも多かったようです。しかし、今後はコロナ禍の影響で民間の業績も採用も不透明化するでしょうから、公務員志望者は増えていくのではないでしょうか」

 大原氏は、長期的に見れば公務員の採用方法は変えていくべきだという。