内容の変更は必要不可欠でした。まず、スタジオに入れる人数に上限がありますから。これまでのバラエティーで当たり前にやっていた“至近距離で笑いを生む手段”が完全に使えなくなってしまったので、不自由ではあります。

 例えば、私が手掛けているお笑い番組「ゴッドタン」では、芸人たちがキスをねだる美女の誘惑に耐え続ける「キス我慢選手権」という人気企画があるんですが、当然、今は難しいですよね。

 視聴者にも心の障壁があって、今まで通りの気持ちで見られないだろうし。これからは、そういった気持ちに寄り添った作り方をしていくべきなんだと思います。

――現時点で、番組の作り方はどのように変わってきているんですか。

“内向き”になってきていると感じます。

 例えばネタ番組だと、観客を入れられないので、事前にネタを収録したVTRにMCが突っ込みを入れていくスタイルが圧倒的に増えました。これによって、これまでとは明らかにトークの質が変わったんです。お客さんに向けて話をしていたのが、スタジオにいる仕事仲間同士で盛り上がって話すような感じになりました。

 この傾向は、テレビだけでなく音楽も同様で、自分の内面を出した曲が増えていると感じます。

テラハ事件で感じた、SNS特有の“突っ込み文化”
価値観そのものをアップデートしていく

――話は変わりますが、5月にフジテレビの「テラスハウス」に出演していた木村花さんが自殺する事件がありました。リアリティーショーについて、どうお考えですか。

 人は誰しも、うそをつかれるのが嫌いで、真実を見たい。最近は特に、作られたものに関してすごく敏感になっている視聴者が多い気がします。