大きな落ち込みを見せた景気とは裏腹に、コロナ禍直前の水準を回復するなど株価は堅調だ。その背景には日本銀行など主要国の中央銀行が大幅な金融緩和に踏み切り、大量に供給されたマネーが株式市場に流れ込んでいることがある。そのため、水準としては景気回復をすでに織り込んでいるといえる。特集『賢人100人に聞く!日本の未来』(全55回)の#4では、今後の株価動向を8人のストラテジストに予測してもらった。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋)
金融緩和で大量供給されたマネーが
株価をコロナ禍前の水準に回復させた
日経平均株価は9月3日、コロナ禍による急落前の高値、2万3386円を上回る2万3465円で引けた。現在も2万3000円前後で推移している。景気や企業業績が大きく落ち込んでいるにもかかわらず、株価はなぜ高値圏にあるのか。
日本銀行を含めた主要国の中央銀行が、企業の資金繰り支援などのために、大幅な金融緩和に踏み切ったことで膨らんだマネーが株式市場に流れ込んでいるからだ。とはいえ、業績が追い付いてこなければ株価は下落するだろう。
今回は、来年末までを見通して8人のストラテジストに日経平均株価の予想をしてもらった。
2020年末値、21年末値と最も強気な予想をしているのは平川昇二・東海東京調査センター常務取締役チーフグローバルストラテジスト。
来年春に一定効果のある対コロナ薬ができること、景気対策や金融緩和の効果で企業業績が20%前後の増益ペースで回復することを前提に、20年末2万4000円、21年末3万円と予測する。
では他の7人のストラテジストたちの予測結果はどうか。全8人の株価予測一覧リストとともに見ていこう。