現在の株価が不合理だとは言い切れない

 もしも現在の株価が不合理なものであり、持続不可能であれば、普通に考えればいつかは暴落するであろう。しかし実際には、株価が暴落しない可能性もある。現在の株価は美人投票がつくり上げた不合理なものであるが、それが景気回復まで続くかもしれないからだ。

 世界中の中央銀行は、腰の据わった金融緩和政策を採用しており、景気が回復する前に緩和をやめるとは考えにくい。すると、景気回復まで何年かかろうと、その間は金融緩和が続くので現状の株価が続くだろう。「景気が回復して金融緩和が終わる頃には景気が戻り企業収益が戻り、企業収益が株価に追い付くことで株価が不合理ではなくなっている」という状況になるかもしれないからだ。

 株価が実体経済から明らかに乖離している場合、バブルが疑われるが、現状がバブルなのか否かは分からない。バブルを「永続不可能で、いつかは暴落する運命にある」と定義すれば、上記から現状はバブルではない、ということになりそうだ。

 しかし、バブルを「ファンダメンタルズから著しく乖離している」と定義すれば、現状がバブルである可能性は否定できない。というよりか、バブルに見える。

 この点については、別の機会に論じたいと思うが、バブルかもしれない時には、大切な生活資金を株式投資に注ぎ込むのは控えた方がよいだろう。淡々と積み立て投資を行っている場合には続けるべきであるが、短期売買は小遣いの範囲で「賭けごとを楽しむ」という姿勢に徹しよう。

 本稿は、以上である。なお、本稿は筆者の個人的な見解であり、筆者の属する組織等々とは関係が無い。