大企業が中途半端な「なんちゃって変革」から抜け出せない根深い理由
企業に大胆な変革が求められています Photo:PIXTA

 自社で、あるいは取引先の企業で、こんな話を聞いたことはないだろうか。

 ある老舗大企業の「新規事業室」が、新進気鋭のスタートアップ企業とオープンイノベーションの会議を重ねている。傍から見れば、旧態依然とした組織に新しい風を取り込もうとしているようにも思える。しかし、スタートアップ側は、老舗企業は流行に乗せられてオープンイノベーションのまね事をしたいだけで、大したリソースを投入するつもりがないことに気づき始めている。この無駄な会議の時間を別の企業への営業に使えば、1件でも2件でも案件を取ってくることができるのにと、心底迷惑になってきており、そろそろ手を引きたい。だが、仮にも老舗企業からのオファーだったので、経営陣を納得させる小さなプロジェクトの成果など、「やってる感」を出さないことにはやめられない。無駄なオープンイノベーションごっこ……。

本腰は入れられないが
新しいことを“とりあえず”やってみる

 新型コロナウイルスが経済にもたらした影響は甚大だ。特に今、過去の経済システムの強者である大企業は、コロナがもたらした消費不況や人々の行動変容に加え、DX(デジタルトランスフォーメーション)や米中対立などの新しい状況下にあって、これまでの事業をやり続けていけるのか、それとも大きな転換をしなければならないのか、深い悩みを抱えている。そんな中で、上記のような例を含め、よくも悪くも過去とは違った新しいことにとりあえず取り組んでみようとする状況が散見されるようになってきた。私はこれを「なんちゃって病」と呼んでいる。