「出社が義務付けられていると、毎日同じ時間に目覚めて、スーツに着替えて電車に乗るという一連の流れのなかで切り替えができます。しかし、在宅ワークでは、起床時間がバラバラだったり、深夜まで仕事をしてしまったりと、規則正しく過ごしにくいので、生活リズムが崩れがちです。その結果、自律神経が乱れてしまい、疲労が蓄積されてしまいます」

福田英宏福田英宏(ふくだ・ひでひろ)
株式会社RecoveryAdviser代表取締役。早稲田大学大学院スポーツ科学研究科で修士を取得し、機能性アパレルメーカー勤務を経て、休養の普及や啓蒙活動を行う株式会社RecoveryAdviserを設立。プロアスリートやスポーツ選手に「リカバリー理論」を指導し、休養や健康関連を展開する企業のコンサルティングを手がける。

 自律神経とは、呼吸や消化吸収、血液循環など、生体機能を調整する神経。生活リズムが崩れると、自律神経の乱れを招くという。

「自律神経には、交感神経と副交感神経のふたつがあります。日中、仕事や運動をしているときは交感神経が優位になり、眠っているときは副交感神経が優位になります。とくに副交感神経は、疲労回復に関わる重要な自律神経なのですが、切り替えがうまくいかない人は少なくないですね」

 もともと、中高年は加齢によって交感神経から副交感神経への切り替えがスムーズにいかない年代だとか。

「疲労を回復するには、体の深部体温を下げて『ノンレム睡眠』と呼ばれる深い眠りを3時間ほど取り、体のメンテナンスをする必要があります。もしも副交感神経の切り替えがうまくいかないと、睡眠の質が下がってしまい、疲労回復につながりません」

生活リズムを整える
カギは太陽にあり

 加えて「コロナ禍の自粛生活は、自律神経を乱す要素にあふれている」と、福田氏は指摘する。

「生活リズムが乱れた場合は、光を見ることと食事、運動、人との関わりなどの活動でリセットできます。しかし、コロナ禍では外出を控え、大人数で1カ所に集まらない自粛生活を強いられています。太陽の光も浴びず、運動もできず、人にも会わない状況は、在宅ワーク疲れを助長してしまうのです」