ところが、「ひきこもり家族会・当事者会」が構成員に入っているのは、38市中、わずか3市。町村部では2つの地域にとどまっている。

「ひきこもり家族会がない地域もある。その場合、なでしこの会に声をかけてもらえれば、会議に参加しますと話をしてあります」(同会)

 とはいえ、20年度はコロナ禍の影響もあって、ほとんど会議が開かれていないという。

 市町村では「県から言われてつくったけれど、何をしていいのか分からない」と声をひそめる担当者がいたり、プラットホームの構成員が「メンバーであることを知らなかった」と話していたりと、今のところ、自治体の多くが事実上の開店休業状態に陥っていることが分かった。

 県の事業計画によると、「社会参加」に向けた支援では、「市町村プラットホームとの連携」や、「本人の状況に応じた柔軟な働き方の機会の提供」「支援者の資質向上」などがうたわれている。

 では、この「社会参加」の意味について、どのように理解しているのだろうか。

 県の担当者によれば、社会参加とは、家から外に出ることや、働くことだけを指すのではなく、地域のボランティアを紹介するなど、社会参加の意味を限定せずに広い解釈で取り組んでいくことだという。

「働くことに慣れていない方が、いきなり正規雇用で働くのは難しい。パートや非正規で勤めるなど、いろんな段階があると思いますので、それぞれの状況に応じて同等に支援していくことを心掛けたいと思います」(愛知県の担当者)

コロナ失業は6万人を突破
引きこもり層が急増する恐れ

 コロナによる解雇や雇い止めは、9月23日現在、6万人を超えた。これは、ハローワーク等で把握している人数であることから、水面下ではもっと深刻な状況であることが推測できる。

 リーマンショックのときも、少し時間がたってから社会経験のある新たな引きこもり層が急増した。コロナ時代は、リーマンショックをはるかに超える規模で、今後引きこもり層が顕在化してくるだろう。