「生産者と消費者」を
「人と人」の関係にするSNS

高橋 たとえばご年配の方がポケマルを通じて、生産者と「こんな豊かな人間関係が作れたのか」って言ってくださるんです。消費者が生産者を気にかけたり、逆に生産者が消費者に声をかけたりしている。喜びや悲しみを分かち合う関係性の大切さは今も昔も変わりませんが、ポケマルで老若男女がそういったウェットな関係性を築いていけているのがうれしいです。ポケマルは「産直SNS」のような役割を持っていて、それが魅力だと田端さんから教わりました。

田端 「End to End」のSNSという話です。会社と顧客、売り手とお客さんといった関係でつながるビジネスツールとしてのSNSではなく、ほんとうの意味で人(=End)と人がつながるSNS。「昨日の台風、大丈夫でしたか?」って消費者と生産者がやりとりするって、もう消費者/生産者の関係ではないんですよね。人と人の関係になっている。生産者から消費者が作物を買ったときに、届いた段ボールの中に手紙が添えられてた、みたいなことがポケマルではすでに自発的に起こっています。

 これって、規格の流通ラインでは起きないし、ある種「非効率」でもある。でもそこに人は価値を感じるんです。農家の人も、作るだけでなく、売り手として買い手の心が温まることをし始めている。

――以前、田端さんは「生産者に販売者目線がないことに驚いた」と仰っていましたね。

田端 ノリ漁師さんが言ってたんです。極寒の早朝の船の上で「いやあ、作るより売る方が大変なんですよね」って。僕としては「いやいやいや、売るより作る方が大変ですよ!」って話なんですけど、漁師さんにとって売り手の観点は視界の外だった。

 でも、ユニクロで服を買うときに生産地なんて気にしないじゃないですか。販売者(社)である「ユニクロ」にだけ着目するのが大方です。同じように、買い手は「魚沼産」といったところまでしか着目しない。それだからか、農家や漁師の人も、自分の採ったものが「どこどこ産のものとしてどう販売されているか」にそれほど関心がなかった。

 僕は生産者が販売者であっていいと思うし、そういうスタイルでこそ、作り手の「こだわり」だってより主張できる。生産者と消費者の間にドラマも生まれる。高橋さんが言う、「生きる」リアリティーの再生にもつながる。