ホームページに
詳しい説明はなし

 日本学生支援機構のホームページを見ると、奇妙なことに気づく。繰り上げ一括請求に関する記述のなかで、それが施行令5条5項に基づく手続きであるとか、「支払能力があるにもかかわらず」長期間延滞した場合になされるといった重要なことが、いっさい出てこない。

 長期に延滞したときの対応について、支援機構のホームページは、「延滞が続いた場合、次のような督促を行うことになります」として、「支払督促予告」「支払督促申立」「仮執行宣言付支払督促申立」「強制執行」の4種類の手続きを示しているだけだ。「一括請求」のことは一番目の「支払督促予告」の項で、「利息および延滞金の一括返還を請求する」とごく簡単に触れているにすぎない。

 適用法令や条文を明記するなどして、なぜもっと正確に丁寧に書かないのか。支援機構に取材すると広報課は次のように回答した。

「奨学金事業は日本学生支援機構法の規程に基づいて実施している。一方HPではわかりやすい記載を心がけており、関連法令その他の文言をすべてお伝えするとかえって読みづらい。請求や督促の過程で詳細な情報を個別に説明している」

 一括請求の内容や根拠規定について触れないほうがわかりやすいというのだ。本当にそうなのか。釈然としない。また、個別に「詳細な情報」を説明しているとの回答についても、「支払能力」のことを知らされなかったAさんの例を見れば疑問がある。

 ところで、Aさんのように訴訟になるのは人的保証の場合だが、機関保証で借りている人に対しても、問題視すべき一括請求は使われている。一括請求した後、裁判ではなく、機関保証業務を委託されている公益財団法人日本国際教育支援協会が全額代位弁済し、以後学生支援機構に代わって本人から取り立てている。