インポスター症候群が
日本で急増している理由  

自己肯定できない「インポスター症候群」が日本で急増している理由佐伯真唯子(さえき・まゆこ)/株式会社ヴィエリス代表取締役。女性社員が9割を占める会社の代表取締役として、SDGs「ジェンダー平等の実現」を推進。女性が働きやすい職場環境の整備やジェンダー意識への啓発が評価され、国連の活動支援NGO「SDGs女性の活躍を推進する委員会・TALSE/インポスター症候群ゼロ運動」の副委員長に任命された。国連NY本部SDGs推進会議で2018年から2年連続スピーチ。

 インポスター症候群(Impostor syndrome)とは、自分の実力を内面的に肯定できない心理傾向を指します。Impostorとは英語で「詐欺師」を指しています。インポスター症候群の当事者が、自分が成功者であると周りを騙しているかのような罪悪感にさいなまれていることからこの名が付きました。

 インポスター症候群は1978年に命名され、近年では俳優のトム・ハンクスや女優のエマ・ワトソンなどの著名人がインポスター症候群に苦しむ自身の経験を告白したことからも注目されています。

「謙虚」「謙遜」が美徳とされる日本では、周りの空気を読む優秀な人ほど自分を下げないと「横柄」「傲慢」と思われるという「恐怖心」にとらわれがちです。

 自分で自分を褒めることができない、自己アピールが下手で自己肯定感が低い人がインポスター症候群に陥りやすいと言われています。