どうしても国際親善試合をしたい!しかし条件山積み…

 こうした状況を受けて、10月の国際Aマッチデーで国際親善試合が組めないものかと、フル代表と東京オリンピック代表を兼任する森保一監督が技術委員会に打診した。反町委員長はこう語る。

「1試合も戦わないまま2020年を終えることは、代表チームを強化していく継続性を考えたときに非常に困る事態でした。来年3月に再開予定のアジア2次予選へぶっつけ本番で臨む状況は避けたい、という現場の声も踏まえた上で、強化試合の開催を模索し、実施する運びになりました」

 技術委員会を中心に急ピッチで準備が開始された。しかし、日本政府が定める検疫措置が大きな障壁となり、日本国内での開催は早々に断念された。ヨーロッパでプレーする日本人選手だけでなく対戦国の選手団も、帰国および入国の翌日から2週間の自主隔離を求められるからだ。

 必然的に選択肢は海外開催となる。現状における各国の入国制限や入国後の行動制限、そして新型コロナウイルスの感染状況を総合的に勘案した結果、日本からの渡航者に待機措置が設けられていないオランダが、EU(ヨーロッパ連合)圏内の移動に関しても原則制限がないとして候補に挙がった。

 ヨーロッパでは9月から、55を数える各国・各地域の代表チームが14のグループに分かれて戦うネーションズリーグがスタートしている。代表チームが活動できる土壌は整っていたが、一方でネーションズリーグが開催されている関係で、ヨーロッパの代表チームとは対戦ができない。

 ならば、ヨーロッパ以外の代表チームをオランダに招くしかない。南米各国もワールドカップ予選を開始させている状況で、強化の目的も果たせる強豪国としてアフリカ勢に白羽の矢を立て、オランダ政府や在オランダ日本大使館、オランダサッカー協会の協力を得ながら開催にこぎつけた。

「無理だとサジを投げられても仕方のないところを本当に頑張ってもらったことに、ノーと言われてもおかしくないところをイエスと言ってもらえたことに、本当に感謝しています」

 奔走した技術委員会メンバーやJFA職員に、そしてオランダやカメルーン、コートジボワール各国の関係者に反町委員長は感謝の思いをささげている。日本に帰国後の自主隔離期間を考慮して、今回に関してJリーガーの招集が見送られ、史上初のオール海外組によるフル代表が構成された。