「いい子ども」である前にすべきこととは

 ちなみに、介護をするために仕事をやめてしまう介護離職は、年間10万人にも及んでいます。離職する人は、そうせざるを得なくなったのでしょうが、辞める前にもう一度視野を広げて、何か方法はないか考えてみてほしいと思います。支援制度がある企業も多いですし、介護サービスをうまく利用しながら働く方法があるかもしれません。

 介護のために仕事をやめてしまうと、経済基盤もなくなってしまいます。有給休暇や介護休暇をうまく使って、ケアマネジャーと相談しながら何とか仕事をやめずに乗り越えたという人もいます。

 会社に相談したら、親の介護を2週間以上する場合に給与の3分の2程度がもらえて通算93日まで仕事を休める「介護休業」という制度を勧められ、介護が大変になる時期を見越しながらそれを3分割して乗り切ったという話も聞いたことがあります。

 とにかく、自分ひとりで抱えないこと。親の犠牲となってつぶれてしまう前に、親戚、友人、ご近所さん、会社、自治体など、まず相談できる相手を見つけることが、現状解決の糸口をつかむきっかけになるはずです。

 自分を産んで育ててくれた親の存在は何にも代えがたい大切なものではありますが、とくに60歳からの人生では、親のために「いい子ども」であろうと無理をするのではなく、できるだけ自分のために限りある時間を使ってほしいと思うのです。

>>続きはこちら