コロナ禍の人口動態変化は
いつまで続くのか

 日本の総人口はすでに減少し始めて10年以上経過した。しかし、東京の人口は増加し続けている。そして、今後も東京への人口集中は続く。国立社会保障・人口問題研究所の予測では、東京の総人口は2030年まで増えると予測されている。

 そこに、青天の霹靂でコロナショックが訪れた。人の密集する東京では感染者数も多く、東京を敬遠する動きが今も続いている。冒頭の人の流れは様変わりし、地方出身者の流入は明らかに減った。外国人は流入超過から流出超過に変わった。有効求人倍率は下がり、東京の求心力は落ちた。

 しかし、この手の話は東日本大震災の際もあった。あのときは放射能問題だった。ガイガーカウンターを持ったレポーターが雨樋で放射線量を計る姿は、連日テレビ放映された。この2年間だけ、大阪市の流入人口が増えている。しかし、それは2年で終わった。今、放射能リスクで居住地を決める人はいない。

 そうなると、新型コロナの問題はワクチンや薬の開発で終焉するだろうが、それまで待つ必要はないかもしれない。というのも、多くの人は気づき始めている。新型コロナの死亡者は、累計でも2020年10月18日時点で1673人であり、交通事故の4595人、インフルエンザの3325人、自殺者の2万0031人(いずれも2018年実績)と比べてはるかに低いということに――。

 その中にあって、リモートワークで「人が郊外に引っ越している」「コロナ離婚が増えている」といった話はフェイクニュースに近い。戸建が売れているのは事実だが、人は郊外に移転しているわけではないし、コロナ後の離婚者数は14%も減っている。人の動きは世帯人数が減ることで、都心居住者が増えているというのが実態である。

 今後も単身者が増えることが確実なので、この傾向は変わらない。コロナ禍による変化にばかり目を向けたがるが、それでも変わらない法則性に目を向けないと、住む場所を選ぶ際に人生最大の失敗をすることになりかねない。

 地方・郊外に移転するなら、骨を埋める覚悟が必要となる。なぜなら、家の資産価値が低いために、二度と引っ越しをできなくなる可能性が高いからだ。

(スタイルアクト(株)代表取締役/不動産コンサルタント 沖 有人)