冬は健康のために、家の中の温度(室温)にも気を配りたい冬は健康のために、家の中の温度(室温)にも気を配りたい(写真はイメージです) Photo:PIXTA

冬になると、ほかの季節に比べ、インフルエンザなどの感染症や脳心血管疾患などのリスクが増し、死亡率が高くなる傾向にある。しかし、日本最北の北海道は、全国で最も死亡率が低いのだ。その要因は、日本ではあまり重要視されていないが、「冬の室温」にある。(ジャーナリスト 笹井恵里子)

冬の死亡率が最も低い都道府県は
日本最北の「北海道」

 夏と比べ、冬の死亡率が最も高い県はどこだと思うだろうか。

 冬の死因の6割を占めるのは、脳心血管疾患や呼吸器系疾患である。というと、寒冷な地域で脳梗塞や脳出血、肺炎などを発症して死に至るというイメージがあるかもしれない。つまり、日本最北端に位置する「北海道」では、冬の死者が増えそうだが、意外にも夏と比べて冬の死亡率が最も低い都道府県が北海道なのだ。

 北海道をはじめ青森県や秋田県、新潟県、石川県、山形県など寒い地域は、暖かい季節と比較して冬の死亡率が10~15%程度の増加。一方で、比較的温暖なはずの栃木県では、夏よりも冬の死亡率が25%も高くなる。そのほか愛媛県、静岡県、鹿児島県など、やはり暖かい地域では冬の死亡率が20%も上昇している。