「ややこしい話をシンプルに説明する人」や「瞬時に自分の意見を出す人」を見ると、多くの人が「この人は頭がいい」と感心する。なぜ「頭のいい人」は、いつでも「スジの良い意見」や「わかりやすい説明」ができるのだろうか。
会員数が100万人を超える「スタディサプリ」で絶大な人気を誇るNo1現代文・小論文講師が、早く正確に文章を読み、シンプルでわかりやすい説明ができる頭の使い方を『対比思考──最もシンプルで万能な頭の使い方』にまとめた。学生から大人まで「読む・書く・話す」が一気にロジカルになる画期的な方法で、仕事や勉強に使える実践的なものだ。本稿では、特別に本書から一部を抜粋・編集して紹介する。

対比思考Photo: Adobe Stock

「対比」こそが、古今東西「頭のいい人」のやり方だ

 今の自分よりもう少し建設的に、クリエイティブになるために──。そのために必要なことは、不眠不休、一心不乱の努力?! 滝に打たれること?! ガンジス川で沐浴すること?!

 それら自体の崇高さは揺るぎませんが、そうではなく、思考の方法・思考のスタイルをもちましょう。これが本書の主題です。

 これから社会人になる人、すでに社会で活躍しながらもっとキャリアアップしたい人、日々の学業や仕事で課題発見・課題解決をしたい人へ向けて、思考のスタイルの提案をしたいと考えています。

 そうした知的好奇心をもつ方々へ、即効性もありつつ長期的に、また幅広く役立つ思考法を贈りたい。そのような思考法は事実あるのだから。これが本書を書いた私の動機です。

 すでに書店には「思考法」について書かれた本がたくさん並んでいます。本書で私が提示するものは、おそらくそれらを矛盾なく包括できる、あるいはそれらのベースになりうるものです。

 その思考法は、一言でいえば〈対比という思考法〉です。本書全体を通して詳しく語りますが、シンプルでいて応用可能性の高い“知のアイテム”になります。