模擬面接の進め方と
具体的な質問

 模擬面接は2人で行うことをお勧めする。就活生役と面接官役を決め、本番(実際の面接)で行われるであろう「やりとり(会話)」を実践するのだ。

 模擬面接を進める際の注意点は以下の通り。

(1)自分のことを素直に語れる人にお願いする

 心理的ハードルを上げないことが大切だ。友人や先輩、家族など、自分のことを話しやすい人とやろう。

(2)ちゃんと話せなくても、落ち込まない

「うまく話せない!」と落ち込んだり、「これでは就活はダメだ」などと悲観したりするのはNG。なぜなら、「自分の分からないことを分かること」が目的だからだ。今の自分の課題が見つかったら「一歩前進した」と思うこと。完璧を求めてしまうと、模擬面接をすることへの抵抗感が強くなる。「うまくやるため」ではなく、あくまで「課題を見つけるため」。目的を誤らない。

(3)うまく回答できなかったことは必ずメモする

「回答できなかったこと」こそ、自身の課題だ。そこから、解決方法を模索しよう。

(4)模擬面接を録音or録画する

振り返ることができるよう、模擬面接の様子を残しておこう。

(5)最低10回は行う

クオリティーが低くてもいい。それよりも、自分の課題を明確にするためと割り切って、最低10回は挑戦してほしい。「何回やってもうまく答えられないこと」が出てきたら、それは大きな課題かもしれない。また、回数を重ねることでうまく伝えることができるようになり、「ちゃんと伝えることができない」という課題が解決してしまうことも。

 模擬面接では何を質問する・されるのがいいのか。以下を参考にしてほしい。

(1)自己紹介
単純な学校名と名前だけではなく、相手(面接官)に自分を覚えてもらえるような自己PRを、一言で話せるように準備する。

(2)自己PR
人間性もしくは強みを一言で述べると何か
それが形成された自分の過去の出来事や経験は何か

(3)学生時代がんばったこと
自分のどんな力を生かしながら、何に挑戦したのか
それをしようと思った動機は何か
その経験から学んだことは何か

(4)志望動機
その企業を志望する理由は何か
入社後、何をしたいのか。その理由は何か
入社後、企業にどう貢献したいのか

 就活の不安を打破するためには、行動することが大事だ。その第一歩が「自分が今、分かっていないことを明確にすること」である。まずは模擬面接を通じて課題を明確にし、その課題を解決するために、さらなる行動につなげていこう。

 自分の欲しいものを妥協せずに追い求め、自分の手でつかみ取ってほしい。この記事を読んでくれた人が、目標に向かって前進することを願っている。

(我究館副館長 藤本健司)