「分からないこと」を
「明確にする」ことから始める

 就活生の多くは、自分の「アウトプット」に対して自信がない。アウトプットとは「就活生が書類や面接などで伝えたいこと、伝えるべきこと」だ。就活の面接や選考において必ず聞かれる「自己PR」「学生時代にがんばったこと」「志望動機」、さらには「自分の人間性や能力」「自身の仕事観」なども含まれる。

 では、なぜアウトプットに自信がないのだろうか。大きな要因は以下の2点だ。

(1)自分が話していることに対して、「本当にそうなのだ」という確信がない
=話している内容に自信がない

(2)自分が話している内容が、企業の人に受け入れてもらえるか不安である
=伝え方に自信がない

 この問題に向き合うには、まずは自信がない理由が(1)なのか、それとも(2)なのか、あるいは(1)と(2)の両方なのかを知り、自分が今どういう「課題」を抱えているのかを明確にする必要がある。

 就活を始めたばかりの人に多いつまずきとは、「何から始めればいいのか分からない」ことだ。そもそも自分の「課題」が分かっていないから、「やるべきこと」が分からないのだ。

 ダイエットであれば、「食事量が多過ぎる」人なら「食事を減らす」ことから始めるだろうし、「運動を全くしない」人なら「運動をする」ことから始めるだろう。このように、自分の「課題」を明確にすることが大切なのである。

 自分の「課題」を明確にする方法として紹介したいのが「模擬面接」だ。模擬面接とは、その名の通り、面接の練習を行うこと。ここで大切なのは、自分の考えや思いを他者に伝えることである。他者に伝えることによって、自分のアウトプットに自信を持てない理由が、話している内容にあるのか、伝え方にあるのか、あるいはその両方なのかが明確になる。