最高速度の引き上げで
東京~札幌間を4時間半に

 整備新幹線として建設された盛岡~新青森間は、1973年に策定された整備計画に基づき、最高速度260km/hと定められている。同区間の速度向上は、JR東日本が設備を保有する鉄道・運輸機構に支払う「貸付料」に影響するため最高速度が据え置かれていたという説がある。

 だが、鉄道・運輸機構に取材したところ、貸付料は30年定額とされているため、開業済みの盛岡~新青森間については、JR東日本の負担で速度向上を行っても貸付料の改定はないそうだ。また整備新幹線では施工後の変更が困難な緩和曲線と縦曲線について、対応できる範囲で360km/h走行が可能な線形を確保しており、同区間の360km/h化は物理的にも問題がない。

 そうなると同区間を360km/h化するのも問題ないように思えるが、なぜ320km/h化が発表されたのか。JR東日本によると、これは現時点での最高速度に対応した計画とのことで、現時点で正式決定していない360km/h化とは切り離されたものという。

 2019年1月14日に朝日新聞は、JR東日本が東北新幹線盛岡~新青森間で騒音対策工事を行い、5年後(2024年)をめどに最高速度を現在の260km/hから320km/hに引き上げる方針を固めたと報じているが、その後正式に発表された計画では速度向上の時期が2027年頃となっており、360km/h化を見越してスケジュールが変更されたとも考えられる。

「ALFA-X」の高速走行試験は盛岡~新青森間でも行われていることから、正式に360km/h化が決定すれば、同区間で最高速度360km/h運転が行われる可能性は十分にあるだろう。

 また、JR北海道も新函館北斗~札幌間も最高速度を320km/hに向上させる工事を行うとしており、東京~札幌間4時間半の実現を目指した取り組みが進んでいる。10年後に控えた札幌延伸開業に向けて、東北新幹線の進化はこれからも続きそうだ。