「見えない学力」は一人では伸ばせない

 正解なんてどこにもない10年後の社会で、どんな力があったらいいのだろうかと話し合った結果、見えない学力には“4つの力”が必要だということにたどりつきました。それが「人を大切にする力」「自分の考えを持つ力」「自分を表現する力」「チャレンジする力」です。

 この見えない学力は子ども同士の関係性の中でしか育ちません。学校は社会の縮図でなければならない。子ども同士が学び合い、課題を解決する力こそ、社会に出て通用する力なのです。この4つの力を「おはよう」から「さようなら」まで学校の中でアタリ・ハズレなく身につけること。これが、私が在任していた大空小学校の教育です。

 担任の先生に対してもよくアタリ・ハズレが言われますね。これまでの学校では、いい先生はアタリでしたが、今は違います。決めるのは子どもです。ある子にとってはいい先生でも、ある子にとってはハズレかもしれません。大空小学校でも「木村(私)はハズレ」と言う子ももちろんいました。でも、これが多様性なのです。

 だからこそ、学校全体ではアタリ・ハズレをなくしていく。「本当になくせるの?」と言われますが、気づいた瞬間からなくせるのです。まずは自分から変わろうと思えば、一瞬でできることなのです。

 でも、「教員が悪い、校長が悪い、保護者が悪い、子どもが悪い、地域が悪い」と人のせいにしている間はなくせないでしょう。

“4つの力”を引き出すための親の心得とは

 4つの力をつけることは、子ども同士の関わりがある学校という教育現場だからできること、家庭では難しいのでは、と思っているお母さん、お父さんもいるのではないでしょうか。

 まず、子どもに4つの力をつけさせたかったら、親自身が4つの力をつけることです。大人になるために子どもたちは学んでいるわけですから、大人が“4つの力をつけていたら幸せになるよ”ということを伝えなければおかしいじゃないですか。大人が4つの力を大事にしていないのに子どもにつけろと言っても説得力がありませんよね。