「自分の考えや打ち合わせ内容をその場で図解する。このテクニックがあれば、会議、ブレスト、プレゼンが劇的に変わる。考える力と伝える力が見違えるようにアップする」
こう語るのは、アートディレクター日高由美子氏。発売即大重版が決まった『なんでも図解ーー絵心ゼロでもできる! 爆速アウトプット術』の著者だ。「フレームワーク」や「キレイな絵」を一切排除し、瞬間的なアウトプット力の向上を徹底的に追求するワークショップ、「地獄のお絵描き道場」を10年以上続けている。複雑なことをシンプルに、難しい内容をわかりやすく。絵心ゼロの人であっても、「その場で」「なんでも」図解する力が身につくと評判になり、募集をかけてもすぐキャンセル待ちに。
本連載では「絵心ゼロの人であっても、伝わる図を瞬時に書くためのテクニック」を伝える。

「はやぶさ計画」の歴史を図解する!

 小惑星探査機「はやぶさ2」のカプセル帰還が話題です。壮大で、なおかつ精密なこの偉業、とても誇らしいニュースですね。今回はこの「はやぶさ計画」の記事を図解してみました。書いてみると、過去の苦労がしのばれ、あらためて尊敬の念を感じます。

 本日は、長めの文章を図解するときのエリア分けの考え方と、グレーの水性マーカーでつける「メリハリ」のコツをお伝えできればと思います。

【参考記事】NHK 日本独自「はやぶさ計画」のこれまで
※タイトルクリックで記事に飛びます。

一度、記事全体を通しで読む

 長文の記事を読んで書くときは、まず、一度記事全体を通しで読みます。この時に大切なのが、話の切り替わりを一つのブロックとして捉え、頭の中に図を書いてみること。今回の記事は、

(1)タイトル
(2)はやぶさ計画の元となる、「サンプルリターン」の説明
(3)はやぶさ初号機について
(4)はやぶさ2について
(5)JAXAの川口淳一郎シニアフェローの言葉

 という構成になっていることがわかります。

 メインは2つのはやぶさの計画の流れ。並列の要素に時間の流れが含まれています。それぞれのブロックを対比しやすいように上下で並べてみましょう。

 まず(1)から(5)までをこのようにエリア分けしてみます。下図を見てください。

 では、(1)、(2)のエリアから書き始めます。

 タイトルとサンプルリターンの説明です。「サンプルリターン」を、(1)から(4)までの番号をつけてわかりやすくしています。(図中では「検討が始まりました」の後にはやぶさ初号機の打ち上げに軽く触れています)

(記事文章)
「日本独自「はやぶさ計画」のこれまで」
探査機を着陸させ、表面の砂を持ち帰る「サンプルリターン」と呼ばれる探査を小惑星で実施しようという計画は、日本独自の構想として1980年代半ばから検討が始まりました。

 これを図解します。下図を見てください。

「はやぶさ」の打ち上げのエリア

 次に「はやぶさ」が打ち上げられ2010年に持ち帰るまでをキーワードを抜き出して書きます。

 見出しがあると全体がわかりやすくなるので、「●はやぶさ(初号機)は...」という見出しを入れています。二重線の矢印で大きな流れを表現し、はやぶさ初号機の「相次ぐトラブル」~「エンジン復帰」は、大きな流れに説明のテキストを書き出し矢印でつなげて補足しています。

(記事文章)
太陽系の起源を探ることを目的に掲げて、2003年5月、「はやぶさ」初号機が小惑星「イトカワ」を目指して打ち上げられました。「はやぶさ」は2年余りかけて、2005年9月に「イトカワ」に到着し、2回着陸を試みました。着陸の前後で、姿勢を制御する装置などが壊れ、燃料漏れも発生するなど相次いでトラブルに見舞われた上、地球に戻る途中にも通信電波が途切れ、4つのエンジンが停止、計画は終了したと思われました。しかし、チームは諦めず、およそ1ヵ月半かけて「はやぶさ」が発信する微弱な信号を受信することに成功しました。壊れたエンジンの生き残った回路をつなぎあわせるようプログラムを送信してエンジンをひとつ復活させることができ、2010年6月に見事カプセルを地球に持ち帰りました。カプセルに石や砂は入っていなかったものの、少なくとも800を超える「イトカワ」の微粒子が確認され、世界で初めて小惑星からの「サンプルリターン」が実現されたということです。持ち帰った微粒子は世界の研究機関に提供され、今でも分析が続けられています。

 これを図解します。下図を見てください。

 いよいよ、「はやぶさ2」が登場します。記事の続きを見ていきましょう。